伝統の江戸料理
江戸が生んだ伝統を受け継ぐ
今から遡ること160余年、ペリー提督が浦賀に来航し我が国に開国を迫った折り、幕府は使節団を招いてもてなしました。
嘉永7年2月20日に開かれた饗宴では、本鯛をはじめとする新鮮な魚介類、山菜などを用いた、
100種類を超える圧巻の料理の数々が出されたそうです。
草津亭が提供している江戸料理のルーツは、この「江戸饗応料理」です。
主に宴席での会席料理として、洗練された江戸伝統の味を守り、受け継いできました。
「和食の神」と謳われた、宮沢退助
1967年から草津亭の料理長を約22年間務めた宮沢退助は、「和食の神」と謳われ、「江戸の名工」「現代の名工」として賞された江戸料理の名人です。草津亭の味は、宮沢退助によって守られ、受け継がれて来たと言って良いでしょう。
想像力豊かな宮沢は、西洋料理や中華料理からもヒントを得るなど、古くからの良いものは残し、新しい素材、調理法を取り入れ、草津亭の味を発展させました。
板場ではいつも厳しい表情でしたが、普段は穏やかでお茶目な一面もあり、弟子に慕われた料理人でした。宮沢に指導を受けた数多くの料理人は、今も日本全国各地の店でその腕を奮っています。
あくなき探究心
お料理において草津亭が大切にしてきたことは、伝統を大切にしながら、その時代の嗜好に合わせて変えていくという姿勢です。宮沢退助は、「料理人たるもの常に勉強していなくてはならない。次々と新しいもの、工夫したものを創る意欲が必要である」と常々話していました。
これからも基本を第一に、受け継いできた姿勢を守り、「草津亭の江戸料理」として末永くつないでいきたいと考えております。
また、宮沢が大事にしてきた「座つき菓子」の伝統を引き継いで、水菓子にも力を注いで参ります。